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初めての確定申告 領収書捨ててしまった場合どうする?後編 

前編では領収書等の保存がない場合の決算書を作成する最終手段について書きました。

今回は「税務署が領収書のない経費を認めてくれるのか」について書いてみます。

これについても、前編記事同様に個人的見解ですので、本記事を参考にされた結果、読者の皆様に損害が生じたとしても、責任を負うものではないことを改めて申し添えておきます。

本題に入る前に、「申告納税制度」について説明します。

現在の国税の多くは「申告納税制度」を採用しています。

申告納税制度というのは「納税者自ら税務署へ所得などの申告を行うことにより税額を確定させ、この確定した税額を納税者が自ら納付する」というものです。

簡単にいうと、自分で税金を計算し、税務署に「今年の私の税金は○○円です。」と申告した上で、その税金を払うということです。

国税の多くと書いたとおり、所得税に限らず、消費税、法人税、相続税なども同じ制度で成り立っています。

この申告納税制度の真逆に位置するのが、「賦課課税制度」といって行政機関の処分により税額が確定する方法です。

これも簡記すれば、語弊があるかもしれませんが、有無を言わさず(笑)行政政機関から納税通知書が送られてきて、その通知書に書かれた税金を払う方法です。

加算税、延滞税、個人住民税、個人事業税、固定資産税、自動車税などがあてはまります。

話を戻します。

領収書を捨ててしまった納税者が、記憶の範囲内で経費を算定して、個人事業主が自分自身で収入と経費から利益を計算し、申告書を提出して税金を払ったとします。

この行為自体は、まさにこの申告納税制度そのものです。

つまり、申告書を税務署に提出する時点で、税務署から「この経費は認められない」ということはあり得ないということです。

かといって、税務署の相談会場で、「家族との旅行代や食事代を経費にしていい?」とか「別荘の水道光熱費を経費に計上してあるけれど」などと税務職員に伝えたら、それは当然「この経費は認められません」と一刀両断されるでしょう。

申告納税制度は、納税者自らが税法を正しく理解し、その税法に従って正しい納税をする制度であり、嘘偽りを自由に申告していいということではありません。

それでも、中には売上の一部を隠したり、払ってもいない架空の経費を計上したり、プライベートの支払を経費にもぐりこませたりする人たちがいるのも事実です。

もちろん、そういった行為を働くのは一握りの人たちなのですが、本来納める税金より少ない税金を払って「私の税金はこれで確定」と申告納税制度を悪用している人をそのままにしておくのは、課税の公平の面から大きな問題です。

その問題を解消するために、税務署による税務調査というものが存在します。

税務調査は、ごまかして申告している人はもちろんのこと、きちんと正しく申告している人にも調査を行います。

それは本の表紙を見ただけでは中身が分からないのと同じように、確定申告書や決算書を見ただけでは、正しい申告が行われているか分からないからです。

さて、ここで領収書を捨ててしまった事業主の話に戻りましょう。

申告納税制度のもと、申告書提出時点では、経費が認められる認められないの話にはならないことは先述しました。

それでは、この事業主が税務調査を受けることになったらどうなるのでしょう?

領収書のない経費は認められるのか?それとも認められないのか?

これに対しては「両方あり得る」というのが回答です。

論点となるのは次の2つ。

①経費の信憑性

 

②課税関係

①は言葉通り、記憶の範囲内で計上された経費に信頼性があるかどうかです。

要は正しい申告がされていることが大事なわけですから、領収書がなくてもその申告が本来あるべき経費を反映して、正しい利益に近い計算がなされていると判断されれば、否認(経費として認められないこと)される可能性は低くなるのではないかと思います。

もうひとつが②の課税関係。

これは取引相手の課税の問題であり、①より難しい問題です。

課税関係というのは、たとえば、建築業の人が現場で臨時的に人工代を10万円現金で払った場合を想像してください。

その際、お金を受け取った人に領収書を請求しても出してくれなかったというケース。

この場合は領収書を捨ててしまったのではなく、最初から相手が領収書を発行しなかったわけですから、払った側がなんの落ち度もないように思います。

お金をもらった側が領収書を発行しないというのは、なんとなく理由はわかると思います。

10万円をもらったということは明らかにしたくない

だから領収書を発行しない

10万円をもらった事実を隠せるはず

10万円は収入として申告しない

その分の税金は納めなくてすむ

本来この10万円は、受け取った側が売上として申告し、払った側が経費として申告します。

つまり10万円について売上として課税が行われその分の税金が発生し、経費として計上し課税所得を減少させてその分の税金を減らす。

当たり前の話ですよね。

しかし、仮にこのケースで、10万円に対して売上の課税が行われないで、10万円を払った側では経費を計上して税金を減らしてしまうとなると、これはどうでしょう?

これが課税関係の問題です。

ある取引があれば、必ず売上課税と経費課税が行われなければいけないというのが基本なのです。

となると、売上課税が行われないその10万円について、「支払ったあなたが面倒みなさい」ということにもいなりかねない。

払った側に落ち度はないのですが、「脱税を生み出すことになりかねない領収書を発行されないような取引はしないように」という、こういったケースがあるのは重々承知した上での税務署の厳しい姿勢なのです。

もちろん、領収書を発行してくれなかったとしても、領収書のない経緯、支払年月日、支払先の住所氏名、支払金額、支払内容を立証できるのであれば、税務署も否認するということはないでしょう。

その場合には逆に「先方に税務調査に行ってくれ」と言えるでしょう。

そして、この課税関係の問題は、本記事の論点である領収書を捨ててしまった場合でも、領収書が発行されない場合と同様の税務署対応がされることもあるのです。

表面上、「領収書がない」という点では同じだからです。

しかも記憶や現状の取引状況からの推計での費用計上ですから、税務署も強い姿勢で臨んでくることも考えられるのです。

以上のとおり、税務署は税務調査で経費の信憑性や課税関係の問題を総合的に判断して、領収のない経費を認める場合もあるし、認めない場合もあるというのが、最終的な回答となります。

認められなかった場合に事業者側はどう対応したらよいのか?

これについては、私がその事業者に関与していた場合の対応であり、一般論でお話することではありませんので、このブログの場では適当ではありませんので記載は控えさせていただきます。

スミマセン、、、ちょっと長すぎましたねsweat02

文才ないとこんなふうにダラダラ文章になってしまうんです(笑)

初めての確定申告 領収書捨ててしまった場合どうする?前編

平成28年もあっという間に2月。

所得税の確定申告期間の初日2月16日もいよいよ来週に迫ってきました。

とはいうものの、所得税の還付申告、消費税の申告は1月から、そして贈与税の申告は2月1日から始まっています。

そしてこの時期、意外と多いお問合せが、去年から個人事業を始められた方からのこんなご質問。

「領収書を捨ててしまって書類も何もないのですが、申告はどうしたらよいでしょう?」

毎年申告されている方にとっては、「どうして捨てちゃうの?」と思われるかもしれないですが、開業したての場合、このように領収書等を破棄されてしまう方って意外と多いのです。

理由は以下のように様々です。

・同業者から申告しなくても大丈夫と言われた。
・収入が少ないので税金がかからないと思っていたが、徐々に収入が多くなり。。。
・税金が天引されていないので、申告する必要がないと思っていた。
・領収書がなくても経費率を使えると知人に言われた。
・ほとんど経費がかからないので、あまり関係ないと思って、、、

そして申告の時期になり、「さて、どうしよう。。。」ということに。

いろいろ思案したところで、無いものは無いので、こればかりはもう仕方ありません。

こうなったら最後の手段です。

「実際にかかった経費はどれくらいあったのか」を自分自身で金額を探っていくしかありません。

とはいえ、むやみに記憶をたどっても、よほど金額の張るものを買っていない限り、記憶にはほとんど残っていないでしょう。

ではどうするのか?

これ以降の記述は、私小暮巌の個人的見解が含まれておりますので、同記述を参考に申告手続きをされ読者の皆様に損害が生じたとしても、責任を負うものではないことを申し添えておきます。

まずは、以下のような項目に分けて、どういった支払いがあったのかを書き出して頭を整理していくとよいでしょう。

①毎日必ず支払うもの

 

②毎月必ず支払うもの

 

③1つ10万以上した買い物

 

④1年以上にわたる契約を結んだ保険契約、賃貸契約、リース契約の有無

 

⑤事業資金の借入の有無

 

⑥自宅兼事務所の有無

 

⑦開業前にプライベートで使っていた機械装置や車などを事業に使っているか。

①や②は、去年のことがつまびらかにわかるのであれば問題ありません。

記憶をたどってもわからなければ、今月や先月でもよいので、支払状況を考えてみましょう。

それほど昔の話ではありませんから数字の見積もりはそれほど難しくないかもしれません。

それでも記憶がおぼろげならば、今週1週間とかでもよいので、どんな事業上の支払をしたのか思い出してみましょう。

もしかしたら、1週間前なら領収書がいくらか残っているという人もいるでしょう。

そういった支払の記憶や残っている領収書等から1日あたりどれくらいかかったのか、1週間あたり、ひと月あたりどれくらいかかったのかを、算定して年換算すればいいわけです。

③については、ほとんどの人が頭の中に残っているはずです。

夏頃エアコンを15万で買ったとか、3年落ちの中古車を20万で買ったとか。

保証期間の問題もあるので、買った時の書類を捨ててしまっていることは少ないかもしれませんね。

とにかく事業の経費にできるかどうかは後で検討するとして、ある程度高い買い物をしたことがあれば、まずは書き出しておきましょう。

④については、事業の賠償保険や車の任意契約であったり、事務所の賃貸借契約であったり、機械や備品などのリース契約であったりと様々です。

これについても、契約書等を捨ててしまっているケースはあまりないでしょう。

万が一捨ててしまっていても、取引相手が会社である場合が多いでしょうから、依頼すれば、契約内容の分かる書類や支払の予定明細等、先方に依頼すれば発行してくれるはずです。

⑤についても金融機関が相手ですから、手元に残っていなければ④と同様に融資内容の分かる書類(融資年月日、融資額、毎月の利息と元本の支払予定額等)について発行依頼できるはずです。

⑥は、自宅(賃貸含む)の一部を事務所、事務室としているケースです。

この場合は事務所として使用している部分を合理的に見積もることができれば、経費として算定することが可能となります。

事業に使っていないのに「使っていることにする」というのは絶対やってはいけませんsign01

事業として確実に使用している場合のみ、誰にも文句の言われないような根拠ある金額を見積もることになります。

⑦は、開業前から自分で持っていた物を、開業してから事業用として使っているケースです。

一番多いパターンが自家用車だと思います。

いつ、いくらで、新車or中古(中古の場合は何年式か)で買ったかを調べておきましょう。

そして⑥同様に事業で「どの程度使用しているか」を見積もっていくことになります。

事業使用割合が算定できれば、車にかかった費用をその割合で按分して事業の経費にできるわけです。

以上のとおり見ていくと、何も手元に残ってないと思っても、探せば出てくる書類や、再発行を依頼できる書類もあります。

意外と決算書が作れるような気持ちになってきますよね。

さて、ここまで書いたところで、きっとこういう疑問(というか心配)が出てくるのではないでしょうか?

「そのような計算をして税務署は経費として認めてくれるの?」

まさに一番大事な部分かもしれませんね。

この質問に関してはYESともNOとも言えないのが事実です。

あくまでも「何も書類がない場合の最終手段」という点を覚えておいてください。

ただ、この疑問については、現在の日本の確定申告制度(申告納税制度)や税務署の調査スタンスについても触れることになるので、次回で述べたいと思います。

「外れ馬券は経費」最高裁認定

競馬の払戻金を申告しなかったとして所得税法違反に問われた元会社員の上告審で、最高裁が外れ馬券すべての購入費を必要経費とする判断をしました。

争いとなっているのは、所得金額(いわゆる利益)を算定する上で、外れ馬券の購入費も必要経費となるかどうかです。

ただ、本質的な論点は「競馬の払戻金」の所得区分です。

所得税法で個人の所得は、次のように全10種類の所得に区分されています。

①利子所得
②配当所得
③不動産所得
④事業所得
⑤給与所得
⑥退職所得
⑦山林所得
⑧譲渡所得
⑨一時所得
⑩雑所得

そして件の上告審の競馬の払戻金ですが、所得税法の基本通達で「一時所得」に分類されています。

基本通達とは行政機関内部における指針であり、法律の解釈や取扱基準のようなものです。

ただし法律である所得税法では、一時所得について「営利目的の継続的行為以外による一時的な所得で、労務・役務の対価や資産の譲渡の対価としての性質をもたないもの」とされているだけです。(所得税法34条)

つまり所得税法には「競馬等の払戻金は一時所得である」とは規定していないのです。

一時所得とする根拠は、国税庁の指針である所得税法基本通達で一時所得の例示として「競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等」と挙げているからなのです。(所得税法基本通達34-1)

それでは、そもそも所得区分はどうして大事なのでしょうか?

その理由は、これら10種類の所得は利益を算定するうえで、それぞれ独自の計算方法があるからです。

所得区分が違えば、計算方法も変わり、算定される利益も変わり税金も変わります。

具体的に一時所得は、収入金額からその収入を得るために直接要した金額を差し引いて、さらにそこから50万円を差し引いた金額とされています。

この直接要した金額というのがミソで、収入に直結したものだけを必要経費として引くということです。

つまり払戻金を収入金額として、必要経費として差し引けるのは「当たり馬券の購入費」だけということになります。

今回のケースだと払戻金が約30億1千万円で、当たり馬券の購入費が約1億3千万円ですので、一時所得の金額は以下のようになります。

30億1千万円-1億3千万円-50万円=28億7,950万円

実際に税金を計算するときには、さらに二分の一に減額されますので、課税対象となる金額は14億3,975万円になります。

しかし今回は一時所得ではなく雑所得だと認定されました。

雑所得というのは上記①~⑨には当てはまらない所得のことです。

そして雑所得の計算は、「収入金額からその収入を得るために要した金額を差し引いた金額」とされていますが、一時所得のように差し引ける金額を「直接要した金額」に限定されていません。

簡単に言うと、競馬投資を一つの業務としてとらえて、事業(商売)を行っている人と同じ計算方法で税金を計算できるとしたのです。

最高裁がそう判断したのは、元会社員の馬券購入の特殊性でしょう。

元会社員は、全国の大半の競馬レースについて、ネット等で継続的かつ大量に自動購入していました。

払戻金もさることながら、外れ馬券の購入費が約27億4千万円ですから、一般人が買うレベルを遥かに超えています。

この事実認定により、「営利目的の継続的行為によるもの」と判断したのです。

雑所得という区分に分類されると雑所得の金額はどうなるのでしょう?

他の経費もあるでしょうが、とりあえず今回は無視すると、

30億1千万円-(1億3千万円+27億4千万円)=1億4千万円

課税対象額が一時所得に比べて一気に十分の一になりました。

大きいですね~

ただし、ここまでの話はあくまで元会社員の上告審のケースです。

「外れ馬券は経費」という言葉がクローズアップされていますが、あくまで「雑所得」と認定されたから経費とされたのです。

今後似たような事例が発生した場合は、今回の最高裁の判断を踏まえて個別にそれぞれのケースを判断ということになるでしょうが、一般的に時々馬券を買ったり、競馬ファンが趣味として毎週馬券を買うようなケースは、「営利目的の継続的行為以外による一時的な所得」とされる場合がほとんどではないでしょうか。

復興特別法人税の計算誤りに注意

東日本大震災から復興するための施策実施に必要な財源を確保するために設けられた復興特別税。

その一つに復興特別法人税があり、通常納めるべき法人税の10%相当額を追加で納めることになっています。

当初の課税事業年度は平成24年4月1日から平成27年3月31日(指定期間といいます)までの期間内に最初に開始する事業年度の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日に属する事業年度とされていました。

しかし税制改正により平成26年3月31日までの2年間に短縮されました。

つまり指定期間が平成24年4月1日から平成26年3月31日に変わりました。

とはいえ、通常の会社は2事業年度にわたり復興特別法人税を計算して追加で納付すれば問題ありません。

しかし新設法人や事業年度を変更した会社の場合はちょっと注意が必要です。

特に誤りが多いケースとして国税庁HPに掲載されているのが新設法人の事例です。
(国税庁HP 復興特別法人税申告書の課税標準法人税額(15欄)の計算誤りにご注意ください) 

指定期間内に設立した法人は、復興特別法人税の計算にあたり期間按分が必要となる場合があります。

≪平成24年4月1日から平成26年3月31日までの間に設立した法人≫

〇課税事業年度
 指定期間内の日の属する事業年度

〇上記のうち、最後の課税事業年度の対象期間
 最後の課税事業年度開始の日から平成26年3月31日までの期間

 (復興財源確保法45②一、47②二)

簡単に言うと、平成24年4月1日から平成26年3月31日までの間に設立した法人について、平成26年3月31日をまたぐ事業年度の復興特別法人税の課税期間は、その事業年度開始日から平成26年3月31日までの期間となるということです。

たとえば平成25年4月1日に設立した9月決算の会社があるとします。

第1期(平成25年4月1日から平成25年9月30日)は通常通り復興特別法人税を計算します。

そして第2期(平成25年10月1日から平成26年9月30日)は、平成26年3月31日をまたぐ課税期間となります。

よって平成25年10月1日から平成26年3月31日までの期間が復興特別法人税の課税期間となるのです。

つまり6ヵ月間が課税対象期間です。

具体的には復興特別法人税申告書の別表1の課税標準法人税額15欄で

((14)または(14)×6/12というように分数部分のところで期間按分することになります。

この計算を12/12として1年間分で計算してしまう会社が多いようです。

結果として納め過ぎとなります。

申告期限内に誤りがあることに気付いた場合、正しく計算した申告書を提出し直せばOKです。

しかし申告期限後に誤りがあったことに気付いた場合には、「更正の請求」という手続きをとるしかありません。

更正の請求については「家内労働者の特例と更正の請求~2009.1.27記事」で触れていますのでご参考にどうぞ。

ここまで書いておきながら、私も実は1度うっかり1年間で計算して幸い2日後に気付いたという経験があります。

思い込みや慣れというのは本当に怖いということを思い知らされた瞬間でした。

マイカー通勤手当の非課税限度額の引き上げ

税制改正によって、車通勤(バイク、自転車含む)している給与所得者の通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

国税庁HP「改正後の非課税限度額」 

この改正は今月20日に施行されましたが、今年の4月1日以後に支払われるべき通勤手当にさかのぼって適用されます。

そのため、さかのぼって適用すると所得税の納め過ぎの状態になる人も出てきます。

その場合には年末調整で対応することになります。

年末調整で生産する場合の源泉徴収簿の記載例も国税庁HPで公開されています。

以下リンクを貼っておきますので参考になさってください。

国税庁HP「年末調整で生産する際の源泉徴収簿の記載例」

※4月1日以後に支払われるべき通勤手当とは?
4月1日以後に支払われるべき通勤手当は、4月1日以後に支払われた通勤手当のことではありません。
4月1日以後の通勤手当として支払うこととなっているものです。
例えば3月途中に引っ越しのため通勤距離が延びて、4月の給与の時に差額分が追加支給された場合、その差額分は4月1日以後に支払われたのですが、4月1日以後に支払われるべき通勤手当ではなく3月31日以前に支払われるべき通勤手当となります。
よってこの差額分については改正後の適用は受けられないものになります。

小規模宅地の特例「家なき子」

亡くなった方が住んでいた家の土地を評価するにあたって、面積240㎡(平成27年1月1日以降の相続から330㎡)を限度として80%減額できるという制度があります。

小規模宅地の特例の中の「特定居住用宅地」と呼ばれるものです。

特例を適用するには様々な要件が定められていて、とりわけ税法は一度読んだだけでは理解するのが難しいものがあり、この小規模宅地の特例もその一つです。

そもそも税法には「カッコ書き」というものが多いので、すんなりと頭に入っていかないわけです(笑)。

たとえば、〇〇〇の者(△△者を除く。)とか、○○していること(政令で定める部分に限る。)といった感じです。

話を戻して、亡くなった方が住んでいた家の土地の評価は、誰が取得したかによって、80%減額できるかどうかの要件がそれぞれ決められています。

以下は、国税庁のHPから抜粋したもので、税法の条文を平易な文章に改められています。

取得者を3区分に分けてそれぞれ要件が書かれていますが、要件に合致すればOKとことになります。

平易とはいえ、ちょっと理解できない部分がありますよね。

ちなみに被相続人とは亡くなった方のことです。

〇配偶者が取得
 

要件なし

〇被相続人と同居していた親族が取得

相続開始の時から相続税の申告位期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地を相続税の申告期限まで有している人

〇被相続人と同居していない親族が取得
 ①及び②に該当する場合で、かつ次の③から⑤までの要件を満たす人

  ①被相続人に配偶者がいないこと

  ②被相続人に相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住した親族で相続人(相続放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと。

  ③相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。

  ④その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

  ⑤相続開始の時に日本国内に住所を有していること、又は、日本国籍を有していること。

ここで、ひとつひとつ整理してみます。

 

まず配偶者の場合。

夫が亡くなれば妻、妻が亡くなれば夫ということですが、配偶者が取得すれば、要件は一切なしとなっており、自動的に土地について80%減額することができるということです。

夫婦が別居状態であっても適用可能です。

同居だった場合はそのまま家に住み続けてもいいし、家を壊して土地を売ってしまっても適用できます。

次に被相続人と同居していた親族の場合

配偶者の場合より要件は若干厳しめですが、複雑な要件とはなっていません。

相続税の申告期限まで家に住み続けて、家が建っている土地も相続税の申告期限まで手放さないで持っていれば80%減額が可能です。

相続税の申告期限というのは、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

「亡くなったことを知った日の~」という言い回しも「ん?」ってなりそうですが、10か月後の応当日と覚えておけばいいと思います。

つまり10月1日に亡くなった場合は翌年8月1日が申告期限です。

ただし、その日が土日や祝祭日にあたるときは、翌日が期限になります。

最後の被相続人と同居していない親族

これは、いわゆる「家なき子」特例と呼ばれるもので、土地を取得した親族に持家がない場合は特例の適用をしましょうというものです。

しかし、これがとてもややこしい。。。

上で①~⑤で挙げたように5つの要件がありますが、①、④、⑤は言葉通りで難しくはないと思います。

②と③が問題です。

②は3段階に分けて考えます。

第1段階は、その家に住んでいた親族がいないということです。

次にその親族の範囲について限定しています。

第2段階で、その親族の中に相続人がいないこと。

最後にカッコ書きで範囲を広げています。

第3段階で相続の放棄があった場合、その放棄がなかったものとして考えた場合における相続人としています。

つまり②の要件を分かりやすく書くと、「法律上相続権を持っていた親族が、亡くなった方と一緒に住んでいたらダメ」ということです。

具体例を示します。

母親が亡くなり、父親はすでに他界していて、子供が土地を相続する場合を考えてみます。

子供は結婚して母親とは別居しており、母親は父親が亡くなってからは、実の姉と一緒に暮らしていたとします。

子供は法律上の相続人ですが、父親の姉は違います。

すると、母親の姉は母親と一緒に住んではいましたが、法律上の相続権を持っていた親族ではないので、要件は満たすということになります。

次に③です。

カッコ書き以外の本文は、すんなり読めると思います。

土地を取得した親族が、被相続人が亡くなる前3年間、自分もしくは配偶者の持家に住んだことがない。

言い換えると「家を所有していることはOKだけれど、相続開始前の過去3年間、本人達はその家に住んでいないこと」が要件となります。

問題はカッコ書きです。

「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く」とあります。

自分または配偶者の持家に亡くなった方が住んでいた場合、その家については本文の「相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋」には当たらないことにしましょうということです。

わけわからないですよね。。。(^_^;)

どういうケースでしょうか?

具体例を挙げてみます。

母親はすでに他界。

古い家を取り壊して、父親の土地の上に子供が家を新築したとします。

土地の名義は父親、家の名義は子供です。

新築後はその家で、父親と子供と一緒に住んでいましたが、その後、会社からの転勤命令が出て、子供は家を出て社宅に住むことに。

その1年後に父親が亡くなったというケース。

父親が亡くなる過去3年の間には、自分の持家に子供は住んでいましたから、③の本文だけを読めばアウトということになります。

しかし被相続人である父親が住んでいたので、アウトからセーフになりカッコ書きによって救済されるのです。

ということで、今回は長々と書かせてもらいましたが、参考になれば幸いです。

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当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。

小暮会計事務所
税理士 小暮 巌

相続開始から相続税申告までの流れ

お問い合わせの多い「相続が発生してから相続税の申告までの流れ」について、簡単なフローチャートにしてみましたので、参考になさってください。

相続開始
・遺言書の有無確認
・未知の相続人の有無確認
・遺産や債務の概要を把握

相続放棄または限定承認(3か月以内) 家庭裁判所
・相続放棄は単独で可能
・限定承認は相続人全員で行う

所得税・消費税の準確定申告(4か月以内) 税務署
・税金が発生する場合、4か月を過ぎると加算税や延滞税がかかることもある
・還付申告の場合には5年以内に申告すれば還付可能

・遺産や債務の調査
・遺産の評価や鑑定
・遺産分割協議書の作成
・相続税申告書の作成

相続税の申告(10か月以内) 税務署

・遺産の名義変更手続き

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【用語の説明】

(遺言書)
 3種類あります。
 ①自筆証書遺言書
  亡くなった方自身が作成する遺言書
   
 ②公正証書遺言書
  公証役場で作成される遺言書
 ③秘密証書遺言書
  遺言内容を公証人に秘密にした上で、公証役場で所定の手続きを経て作成される遺言書

(相続放棄)
 相続人が遺産の相続を放棄すること。

(限定承認)
 相続財産を限度として債務を弁済するもの。
 債務が多額あるいは不明の場合、債務を引き継ぎたくない場合に利用される。

(家庭裁判所)
 亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

(税務署)
 亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署

(準確定申告)
 相続人が行う亡くなった方の所得税や消費税の申告と納税のこと。相続人は相続開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行う必要がある。

(加算税・延滞税)
 法定申告期限を過ぎて申告したり、納税が遅れたりした場合に賦課決定される税金

(還付申告)
 源泉徴収された所得税等が、正しく計算された本来納めるべき所得税等より多い場合、確定申告をすることによって納め過ぎの税金を還付することができる。この申告を還付申告という。

(遺産分割協議書)
 遺言書がない場合など、相続財産を具体的に誰にどれだけ分けるかを話し合いを行うが、話し合いがまとまり、具体的な配分明細を表記し相続人全員が合意したことを証する書面のこと。

来年の相続税の改正

来年から相続税の基礎控除が大幅に引き下げられます。

また税率も現在の6段階から8段階となり、最高税率は現行の50%から55%まで引き上げられました。

上記2つは増税項目ですが、次のような減税項目もあります。

未成年者控除や障害者控除の控除額の引き上げ、そして土地の評価を下げられる小規模宅地の特例での適用面積の拡大です。

この4つの大きな改正のうち、やはり基礎控除の引き下げが一番大きいでしょう。

以下のように改正前と改正後を比べると基礎控除は60%に圧縮されてます。

【基礎控除】
(改正前)
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

(改正後)
3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば、夫が亡くなり、妻と子供2名の合計3名が相続人の場合、改正前であれば8,000万円までの課税遺産なら非課税であったのが、改正後は4,800万円となってしまうのです。(各特例適用は考慮せず)

反対に減税として有り難い改正は小規模宅地特例の適用面積の拡大です。

小規模宅地の特例とは、亡くなった方や亡くなった方と生計が一緒だった親族が住んでいた家の土地(特定居住用宅地等)や事業で使っていた土地(特定事業用宅地等)について、土地の評価を最大80%減らせるという制度です。

たとえば1億円の土地なら2,000万円になるということです。

【小規模宅地の特例】
①限度面積の拡大
(改正前)
特定居住用宅地等  限度面積 240㎡(約73坪)

(改正後)
特定居住用宅地等  限度面積 330㎡(約100坪)

②特定居住用と特定事業用の合計適用面積の拡大
(改正前)
特定居住用宅地 限度面積240㎡(約73坪)
特定事業用宅地 限度免責400㎡(約121坪)

合計400㎡まで適用可能

(改正後)
特定居住用宅地 限度面積330㎡(約100坪)
特定事業用宅地 限度免責400㎡(約121坪)

合計730㎡まで適用可能

これらの改正は平成27年1月1日以後の相続や遺贈に係る相続税について適用されます。

不幸にも来年以降、仮に相続が発生した場合に、どれだけの税金がかかるのかということを大まかでもよいので把握しておくことは、とても大事なことかもしれません。

復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A

来年1月から25年間続く復興特別所得税。

本来納付すべき所得税に対して2.1%分の上乗せ課税が行われます。

特に毎月発生する給与から差し引く源泉所得税については、年明けから金額が変わるので注意が必要です。

未払だった給与を年明けに払う場合や支払日を翌月としている場合など、給与の発生と支払が平成24年と平成25年にまたがるときに2.1%を上乗せするのかしないのか迷いやすい事例を、国税庁のHPでQ&Aとして公表されているので、執務の参考にしていただけたらと思います。

≪国税庁HP≫
復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A PDF

税務調査手続きの法定化

「納税環境整備に関する国税通則法等の改正」によって、税務調査手続きにおける現在の運用上の取り扱いが法令で明確にされました。

また税務当局が納税者に対して行った処分について、その理由を附記する対象も拡大されています。

具体的には国税庁HPに、通達、Q&A、パンフレット等が公開されていますので、興味がある方はご覧になってください。

国税庁HP
【納税環境整備に関する国税通則法等の改正」

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