鳩山首相が贈与税6億円を納付

お母様からの鳩山首相の資金管理団体への資金提供が、首相個人への贈与にあたるとして、首相が7年間で約6億円の贈与税(本税)を納めたというニュースが流れました。

7年間というのは「偽りその他不正の行為」があった場合、課税庁が最大遡求できる期間です。

今回修正申告の対象となった贈与の申告漏れが、「偽りその他不正の行為」に該当するかどうかは、今後、課税庁である室蘭税務署長の判断を待つことになり、場合によっては期間が短くなることも考えられます。

国税の遡求期間については国税通則法第70条にあり、「偽りその他不正の行為」があった場合に7年間遡ることができるという規定は同条第5項に規定されています。

多くのメディアでは重加算税云々の話も出ておりますが、重加算税の規定はこの第70条にはありません。

同じ国税通則法の第68条にあります。

そうなのです!

遡求期間と重加算税とは全く別の条文なのです。

ここを読むと重加算税が賦課されるのは「事実を隠ぺい又は仮装」した場合となっています。

つまり重加算税は「偽りその他不正の行為」があった場合ではなくて、「隠ぺい又は仮装行為」があった場合に課されるということになっていて、遡求期間と微妙な違いが見てとれます。

このあたりの違いは、専門家がいろいろ考察していて実はかなり難しい問題なのですが、簡単に言うと、「偽りその他不正の行為」の範囲の中に突出した形態として「隠ぺい又は仮装行為」があるという感じでしょうか。

数学記号を使えば
「偽りその他不正行為」「隠ぺい又は仮装行為」

記号の向きが違ってたらすみません(笑)

いずれにしろ、室蘭税務署長が遡求期間と重加算税の賦課についてどのような判断を下すのか、税理士としても興味があるところです。

以前、重加算税の記事で課税庁の「隠ぺい又は仮装」の認定基準について触れておりますので、ご参考にどうぞ。
重加算税~2009.1.15記事

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売上の計上時期

12月3日の日経新聞朝刊に、「国際会計基準の波紋 第3回」として、≪売り上げが変わる~商品”到着”時点で計上へ≫という記事が載っていました。

工場から出荷した時に売上を計上(出荷基準)しているビール会社を例にとって、商品到着時点で売上に上げるその影響について書かれていました。

そこで「売上はいつ計上するか」という点について触れてみたいと思います。

一般的に商品を販売する場合には、その商品の「引き渡しがあった日」に売上を計上することになっています。

では「引き渡しがあった日」とはいつをいうのでしょうか?

レジでお金を受け取って、その場で商品を渡す小売業のような業種ですと、とくに考える必要はないのですが、お客様の所に商品が届くまで日数を要する場合は、ちょっと悩んでしまいますよね。

そこで「引き渡しがあった日」についての判断基準がいくつかあります。

例えば下のような基準です。

①出荷基準
  ・倉庫や工場から出荷した日
  ・船積みした日
  ・トラックに積んだ日

②検収基準
  ・相手方が商品を検収して引取った日

③使用収益基準
  ・相手方が使用収益できるようになった日(自由に使える状態になった日)

④検針日基準
  ・検針等によって販売数量を確認した日

なんかいまいちピンときませんね。。。

そこで1つ例をあげてみます。

北海道にあるビール会社A社が沖縄にあるスーパーB社と、ビール1本を500円で販売する契約を結んだというようなケース。

そして売上金が決済されるまでの流れが次のようだったとします。

①12月1日   ビール販売契約締結
②12月3日   A社の工場からビール1本出庫
③12月4日   トラックに積まれて発送
④12月7日   スーパーB社の倉庫に入庫
⑤12月8日   銘柄と数量が契約通りであると確認
⑥12月25日   売上代金の請求日
⑦1月10日   売上代金の入金日

500円を「売上に計上できる日」として考えられるのはいつでしょう?

う~ん、いくつか考えられそうですよね。

逆に「売上の計上日とはならない日」というのは、実はハッキリしています。

①と⑥と⑦です。

①は契約しただけなので「引き渡し」は、そもそもありえません。

⑥は意外と思われるかもしれませんが、請求書というのは売上代金を決済するための手続きですので、その手続日というのは「引き渡しがあった日」とはならないのです。

仮にA社が請求書を出すのをずっと忘れていて(笑)、半年後の6月25日に請求書を出したというケースを想像すると、6月25日に売上500円計上するというのは「それはおかしい!」と思っていただけるのではないでしょうか。

⑦の入金日も売上代金の決済手段にすぎないため「引き渡しがあった日」とはなりません。

請求書と同じように半年後に入金されたと考えると分かりやすいですよね。

とすると残りの日は、すべて「引き渡しがあった日」となりえます。

②、③、④、⑤のうち、会社にとって一番合理的と考えられる日で売上計上を行えばいいということです。

ただし、売上の都度や事業年度ごとに計上基準を恣意的に変えるのは認められません。

その商品や販売形態に応じて合理的な基準を選んで、毎期継続して適用することが大切です。

当然のことながら、委託販売や試用販売といった特殊な販売形態を行う場合には、その形態ごとに合理的と考えられる基準を採用する必要があります。

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当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。

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年末調整の準備(2)

先日「年末調整の準備」というタイトルで記事を書きました。

そうしましたら、個人の事業所得のある方から「年末調整についてお聞きしたい。」というお電話がありました。

書類を揃えることが大切なので、私がお客様にお渡ししている「年末調整書類チェックリスト」をメールでお送りし、実際の事務処理を行っていく上で不明な点があれば、またご連絡をいただくということでお話は終わりました。

書類が揃ったあとの事務処理ですが、実際のところ書類さえ揃ってしまえば、税務署に行ってしまうというのが一番手っ取り早いと思います(笑)

なんといったってタダですもんshine

税理士として商売っ気ないこと言ってるようですが、無駄に専門家への報酬を払う必要もないですからねhappy01

最近の税務職員の対応は相当丁寧になってきていますし、しかも一生懸命計算してくれるはずです。

というのは、源泉所得税の税収というのはとても大きく、国としては「会社等が従業員から預かっている税金を納めていない」という状況が一番困るのです。

この納めていない状況を通常「未納」と言いますが、この「未納」の率を下げることが全国のどの税務署でも1年を通しての至上課題となっているのです。

「未納」となる原因として、不況の世の中、運転資金に流れてしまって納められないという場合が多いのですが、「年末調整の手続きが分からなくて納付税額が計算できない。だから従業員に確定申告させている。」という会社等も意外と多いのです。

そういう会社等が相談に来たら税務署としては、未納率を下げる絶好のチャンスですから!

現在、税務署は来署人数を減らすようにいろいろ努力しているので、こんな記事を書くと怒られてしまうかもしれませんけど~(笑)

話は戻りますが、小暮会計事務所「年末調整書類チェックリスト(抜粋版)」を見てみたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださればPDFファイルを電子メールによりお送りいたしますshine

抜粋版ということなのでA4サイズ1枚ですけどねsweat01

タダでも要らないかな。。。(笑)

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小暮会計事務所
税理士 小暮 巌  (関東信越税理士会 浦和支部所属)
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非営利法人の会計と税務

わけあって先週から非営利法人の会計や税務について調べています。

一般的な知識は持ち合わせていても、会計や税務についての実務を知っている税理士は少ないのが現状です。

「非営利法人の純資産の部の関係なんですけど~」と周りにいる諸先輩方に聞いても、「そっち関係は分からない!」と言われてしまうケースがほとんどです。

通常、非営利法人と言うと、学校法人、社会福祉法人、宗教法人、(認定)NPO法人、公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、社会医療法人などが思い浮かびますが、○○法人という組織形態だけで非営利法人かどうかを判定することができない場合もあります。

「公益法人用の会計ソフトを入れてしまえば、分からなくても勝手にやってくれるよ~」とおっしゃる先生もおられますが、それからスタートしてしまうとお客さんから報酬いただく資格がないんじゃないかと思ってしまいます。

平成20年12月1日に公益法人制度改革三法が施行されたことによって、会計基準や税務処理も整備されたので、そのあたりをちゃんと読み解く必要がありますよね。

とにかく勉強するよい機会を頂いたと感謝です~shine

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年末調整の準備

年末調整関係の書類が税務署から届いている方もいらっしゃると思います。

担当者の方は、「また年末調整の時期がきたか。」と思われているかもしれませんね。

この事務が大変なのは従業員に依頼した書類がなかなか揃わないという点につきると思います。

必要書類や注意事項について、全ての従業員に的確に伝えるというのはなかなか簡単ではありませんからね。

日本人社員、外国人社員、パート・アルバイト、乙欄適用の従業員等いらっしゃいますからね。

また住民税の徴収方法についても、特別徴収、普通徴収、本人申告と業員ごとに確認しなければなりません。

私の場合は、税務職員歴15年と税理士歴1年4ヶ月のノウハウ(笑)が詰まった年末調整チェック表を事前にお客様にお渡ししています。

あまり簡単なチェック表だと意味ありませんし、逆に細かく記載し過ぎると、お客様の見る気が削がれてしまいますし、作ってみるとなかなか難しいものですが、年々バージョンアップをしていくつもりです。

税務署から送付される国税庁作成の「年末調整のしかた」という冊子の中にも「年末調整チェック表」というページがあります。

これは非常によくできていて、誤りやすい事項がきちんとチェックできるようになっているので、年末調整を担当される方々にとってはとても便利なものじゃないかと思います。

≪関連記事≫
~年末調整の準備(2)~

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自己株式取得の税務処理

先日、ある先生と自己株式の取得や譲渡における税務処理について話をしました。

自分自身が日々そのような事例に出会ってないと、理屈は分かっていても、頭の中はかなり混乱してしまうもので、「4表はどうだったっけかな~」なんて言ってました。(笑)

自己株式を取得したときは、課税所得には影響はありませんが、資本金等の額が減額されて軽減税率が適用されたり、みなし配当が生じて利益積立金額が減少して留保金課税の計算が変わったりするので、きちんと税務調整をしておく必要があります。

会計上は、そのまま自己株式の取得原価をもって、株主資本の控除項目として認識されます。

税務上は、会計上の取得原価のうち、税務上の帳簿価額相当額(取得資本金額)を資本金等の額から減額して、残額(みなし配当)を利益積立金額から減額することになります。(※ただし証券市場等で自己株式を取得した場合などはみなし配当は生じません。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

具体例を挙げて見てみます。

(前 提)
自己株式取得直前の資本金等の額  1,000万円
自己株式1株当たりの取得単価        12万円 
取得した自己株式数                20株
自己株式取得直前の発行済株式数      100株

会計上は、取得原価で認識ですから、支払った240万円で自己株式を計上します。

そしてこの240万円は株主資本のところで△240万円の表示がされることになります。

仕訳で示せば次の通りです。(以下すべて単位は万円)
(自己株式) 240    (現金預金) 240

税務上はどうなるかというと、まずは帳簿価額相当額(取得資本金額)を算出しなければなりません。

計算式は以下の通り

取得資本金額 = 自己株式取得直前 × 取得した自己株式数
             の資本金等の額     自己株式取得直前
                             の発行済株式数

          = 1,000万円 × 20株/100株 = 200万円

算出された200万円が資本金等の額から減額されます。

そして取得原価240万円から200万を差し引いた40万円が「みなし配当」となり利益積立金額から減額されることになります。

配当に係る所得税8万円(20%)を考慮し、税務上の仕訳を示すと~

(自 己 株 式) 200   (現金預金) 232
(利益積立金額)  40   (預 り 金)   8

最後に法人税の申告書への記載です。

【別表4】
当期利益又は当期欠損の額の欄の社外流出に「配当 40」

あるいは
みなし配当否認額 40 (加算・流出)
自己株式認定損  40 (減算・留保)

【別表5(1)~利益積立金額~】
自己株式  当期の増減(増欄)   △40

【別表5(1)~資本金等の額~】
自己株式  当期の増減(増欄)  △200

次回「自己株式譲渡の税務処理」に続く(?)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ついでに株主側はどうなるかも書いておきますね。

仮に20株を売却した株主が、以前にその株を1株5万円(取得原価100万円)で購入していたとします。

売却価額は240万円で、そのうち配当とされる部分が40万円ですから、純粋な株式の譲渡の対価は200万円(240-40)となるので、株式の譲渡益は100万円となります。

仕訳を起こすなら

(現金預金)  232   (有 価 証 券)   100
(仮払所得税)   8   (有価証券売却益) 100
                (受取配当金)      40

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電子手形

連休中日でのんびりしておりますが、電子手形取引に約7,000社が参加するという記事が今朝の日経新聞に載っていました。

従来の紙ベースの手形では、印紙代がかかったり偽造や盗難といったリスクがありましたが、電子手形によってそういった費用面や安全面での問題が解消されることになりそうです。

またこの電子手形ですが分割譲渡できる点が従来の紙ベース手形と大きく異なる点です。

個人的にはこの点が大きなメリットかなと思います。

たとえば商品販売代金として100万円の手形を受け取って、仕入先A社50万円、外注先B社30万円の支払いに充てようとするケース。

紙ベース手形ですと、銀行で手形を買い取ってもらい資金化して(手形割引)、それぞれの支払いに充てますが、電子手形なら、ネット上でA社に50万円、B社に30万円の電子手形に分割して譲渡することができ、さらに残額を銀行に買い取ってもらうという方法がとれるようになります。

記事に書かれているように、電子手形の普及によって中小企業の資金繰りの円滑化に役立ってくれればいいと思うのですが、財務状況の悪化によって、商手割引の極度額(融資枠、買取枠)が低く抑えられている企業もあって、その辺りの手当も併せてすることも必要なのかなと思います。

手形の割引の話が出たので会計処理の話をちょっと。

現在は会計基準が改正されて、手形を割り引いても「割引手形」という勘定は使わなくなりました。(受取手形割引額や受取手形譲渡額はそれぞれ注記が必要)

そして手形を割り引いた時点で、手形割引料である利息相当分を「手形売却損」として計上するようになっています。

100万円の手形を銀行で割り引いて、手形割引料1万円を差し引かれて普通預金に入金された場合なら 

(普通預金)   990,000円   (受取手形) 1,000,000円
(手形売却損)   10,000円
 ※保証債務の時価評価は考慮しておりません

ちなみに「手形売却損」は消費税法上の非課税取引となりますので念のため。(消費税法別表第1三、消費税法施行令10③七、八)

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名古屋国税職員が親族の脱税幇助

名古屋国税局の国税職員が親族の確定申告の脱税の手助けをしていたとして懲戒免職となりました。

親族の申告書を作るにあたって、自身の飲食代などを必要経費にするなどして、利益を圧縮していたようです。

脱漏所得が約1億円ということですから、職員の私的飲食代を経費に潜り込ませたものは一部だと思います。

警察官の飲酒運転もそうですが、本来それを防止したり正しい方向へ指導する立場の人間が逆に不正行為を働いてしまう。

なんだか嫌なニュースです。

また、ここでの問題は脱税ほう助のほかに、税理士資格のない者が確定申告書を作成していたことです。

税理士資格のない者が税務申告書を作成すると税理士法違反となります。(税理士法52

税務申告書を作成するという行為は税理士しかできない独占業務の1つで、全部が3つあります。(税理士法2

①税務代理
 税務申告や各種届け出・請求、税務調査や行政処分に対する不服申し立てなどの行為を代理する業務

②税務書類の作成
 税務申告書や各種届出書・申請書を作成する業務。

③税務相談
 税務に関する相談事務

賛否両論ありますが、この3つは税理士の無償独占業務と言われるもので、税理士資格を持たない者がこれらの業務を行うと、たとえ報酬をもらわなかったとしても税理士法違反となってしまいます。

申告書を作成した国税職員ですが、彼は税理士ではありません。

国税職員は税理士登録はできないと言った方が分かりやすいかもしれません。(税理士法24二

国税職員の中にも、税理士試験に合格している者、税理士登録ができる弁護士・公認会計士の資格を有する者はいます。

しかし国税当局に在籍しながら税理士登録をすることはできず、税理士登録するためには、国税職員を辞めて、税理士会に入会しなくてはいけないのです。

最近特に、税理士資格の対象者、税理士業務の内容、無償独占維持の可否、税務当局や関係団体との業務委託など、税理士資格についてはいろいろ議論がなされています。

こういう事件が起こると、「このような事が起こらないためにも税理士の無償独占業務は維持すべきだ!」という方もいらっしゃいますが、税理士の中にも自己脱税や脱税ほう助を行う者は残念ながらいますので、その理屈はどうかなとも思います。

「税理士の既得権益を守るため」ではなくて、国民にとって一番良い税務サービスの提供の在り方を基礎にして考えなくてはいけないと思います。

話は戻りますが、この国税職員が適正な申告書を作成していたとしたならば、もちろん税理士法違反には違いないのですが、これほど大きく報じられることはなかったのではないかと思います。

懲戒免職にもならずに済んだのかもしれません。

元国税職員税理士の想像の範囲内でとお断りしておきますが(笑)、税務職員が親の申告書を作ったりするケースは意外とあるかと思います。

同居している親が医療費控除の還付申告書の作成に苦慮しているときに、「税務署に相談してくればいい」とか「税理士に頼みなさい」なんていうことは、誰が考えても現実的ではありませんからね。

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扶養親族の入替えの可否

「子供を扶養に入れて確定申告したけれど、妻の扶養にした方が税金が安かった。今から扶養を入れ替えることができるか?」

確定申告が終わって数ヶ月経ったあと、ときには数年経ったあとに、意外とよくある質問です。

これは「扶養親族等の所属の変更」というもので、所得税法施行令第218条第1項、同令第219条、そして所得税基本通達83~84-2 にその取扱いが示されています。

条文に沿った言い回しをするなら、①予定納税の減額申請書、②確定申告書、若しくは③扶養控除等申告書(この3つを「申告書等」といいます)のいずれかに記載した扶養親族が控除の対象となります。

そしてその扶養親族を入れ替える場合は、納税者全員が、①から③の「申告書等」に入れ替え後の扶養親族を記載をすることで可能となります。

言い換えるなら、①から③の「申告書等」以外の申告書による扶養親族の入替えはできないとなります。

もっと実務チックに言うと、「修正申告」や「更正の請求」による扶養の入替えはできない。

たとえば、夫が長男を扶養に入れて確定申告、妻が長女を扶養に入れて年末調整をしていたとき、長女を妻の扶養から外して夫の扶養に入れ替えるというケース。

ここで想定される手続きは
① 妻は長女の扶養を外す確定申告書を提出。
② 夫は長女を扶養に入れるために、既に提出した確定申告書を直す申請(いわゆる更正の請求)をする。

結果は、夫が「更正の請求」をすることになるのでダメということになります。

逆に長男を夫の扶養から外して、妻の扶養に入れ替えるケースは?

今度の場合は
① 妻は長男を扶養に入れるために確定申告書を提出。
② 夫は長男の扶養を外すために修正申告書を提出。

夫が修正申告をすることになるのでやはりダメ。

これが冒頭の質問に対する回答となります。

この話をすると、一般的な扶養漏れのケースについて勘違いされる方がいらっしゃいます。

今までの話は、あくまで「扶養親族の入替え」に関する取り扱いです。

単純に扶養を入れ忘れたのなら、確定申告や更正の請求をすることで控除を受けることはできますし、夫婦で重複して同じ扶養親族を控除対象にしていたら、修正申告の必要や更正処分の対象となります。

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DNA入り「ご神体」販売で10億円所得隠し

「ご神体」を販売して得た所得を申告していなかったとして、宗教法人教祖の男性が金沢国税局から10億円の申告漏れを指摘されていたというニュースが流れました。

販売していた「ご神体」というのは、教祖のDNA情報が入ったチップを張り付けたガラス製の置物。

宗教法人がお守りやお札といった物品を販売する場合(世間一般に販売されている物品は除く)、売価と原価の差額(いわゆる粗利)が、通常の物品販売業の粗利を得ておらず実質的に喜捨と認められるときは、その物品販売に係る収入には法人税が課されません。(法基通15-1-9、15-1-10)

ちなみに、販売した「ご神体」は売価が100万円で原価が4万5千円。

ニュースのヘッドラインを最初に見たときには、国税局が、このご神体販売が「利潤」を追求しており「喜捨」とは認められないと指摘したのかと思ったのですが、記事を読み進めてみるとどうやら違うようですね。

法人税の課税対象である収益事業か、非課税対象である非収益事業かの判断によるものではなくて、教祖本人の個人所得であると認定して、教祖個人が申告する必要があると指摘したようです。

売買代金は宗教法人名義の預金口座に振り込まれていたようですが、それを教祖個人の収入と指摘したわけですから、国税当局は「人、モノ、お金」の流れを丁寧に抑えていき事実認定を行ったのでしょう。

それにしても、モノの販売で売上総利益率95.5%とは、スゴイ世界ですsweat01

≪関連記事≫
冊子「宗教法人の税務」~2009.6.4
ラブホテルの休憩料と御布施~2009.6.9

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