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「外れ馬券は経費」最高裁認定

競馬の払戻金を申告しなかったとして所得税法違反に問われた元会社員の上告審で、最高裁が外れ馬券すべての購入費を必要経費とする判断をしました。

争いとなっているのは、所得金額(いわゆる利益)を算定する上で、外れ馬券の購入費も必要経費となるかどうかです。

ただ、本質的な論点は「競馬の払戻金」の所得区分です。

所得税法で個人の所得は、次のように全10種類の所得に区分されています。

①利子所得
②配当所得
③不動産所得
④事業所得
⑤給与所得
⑥退職所得
⑦山林所得
⑧譲渡所得
⑨一時所得
⑩雑所得

そして件の上告審の競馬の払戻金ですが、所得税法の基本通達で「一時所得」に分類されています。

基本通達とは行政機関内部における指針であり、法律の解釈や取扱基準のようなものです。

ただし法律である所得税法では、一時所得について「営利目的の継続的行為以外による一時的な所得で、労務・役務の対価や資産の譲渡の対価としての性質をもたないもの」とされているだけです。(所得税法34条)

つまり所得税法には「競馬等の払戻金は一時所得である」とは規定していないのです。

一時所得とする根拠は、国税庁の指針である所得税法基本通達で一時所得の例示として「競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等」と挙げているからなのです。(所得税法基本通達34-1)

それでは、そもそも所得区分はどうして大事なのでしょうか?

その理由は、これら10種類の所得は利益を算定するうえで、それぞれ独自の計算方法があるからです。

所得区分が違えば、計算方法も変わり、算定される利益も変わり税金も変わります。

具体的に一時所得は、収入金額からその収入を得るために直接要した金額を差し引いて、さらにそこから50万円を差し引いた金額とされています。

この直接要した金額というのがミソで、収入に直結したものだけを必要経費として引くということです。

つまり払戻金を収入金額として、必要経費として差し引けるのは「当たり馬券の購入費」だけということになります。

今回のケースだと払戻金が約30億1千万円で、当たり馬券の購入費が約1億3千万円ですので、一時所得の金額は以下のようになります。

30億1千万円-1億3千万円-50万円=28億7,950万円

実際に税金を計算するときには、さらに二分の一に減額されますので、課税対象となる金額は14億3,975万円になります。

しかし今回は一時所得ではなく雑所得だと認定されました。

雑所得というのは上記①~⑨には当てはまらない所得のことです。

そして雑所得の計算は、「収入金額からその収入を得るために要した金額を差し引いた金額」とされていますが、一時所得のように差し引ける金額を「直接要した金額」に限定されていません。

簡単に言うと、競馬投資を一つの業務としてとらえて、事業(商売)を行っている人と同じ計算方法で税金を計算できるとしたのです。

最高裁がそう判断したのは、元会社員の馬券購入の特殊性でしょう。

元会社員は、全国の大半の競馬レースについて、ネット等で継続的かつ大量に自動購入していました。

払戻金もさることながら、外れ馬券の購入費が約27億4千万円ですから、一般人が買うレベルを遥かに超えています。

この事実認定により、「営利目的の継続的行為によるもの」と判断したのです。

雑所得という区分に分類されると雑所得の金額はどうなるのでしょう?

他の経費もあるでしょうが、とりあえず今回は無視すると、

30億1千万円-(1億3千万円+27億4千万円)=1億4千万円

課税対象額が一時所得に比べて一気に十分の一になりました。

大きいですね~

ただし、ここまでの話はあくまで元会社員の上告審のケースです。

「外れ馬券は経費」という言葉がクローズアップされていますが、あくまで「雑所得」と認定されたから経費とされたのです。

今後似たような事例が発生した場合は、今回の最高裁の判断を踏まえて個別にそれぞれのケースを判断ということになるでしょうが、一般的に時々馬券を買ったり、競馬ファンが趣味として毎週馬券を買うようなケースは、「営利目的の継続的行為以外による一時的な所得」とされる場合がほとんどではないでしょうか。

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