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小規模宅地の特例「家なき子」

亡くなった方が住んでいた家の土地を評価するにあたって、面積240㎡(平成27年1月1日以降の相続から330㎡)を限度として80%減額できるという制度があります。

小規模宅地の特例の中の「特定居住用宅地」と呼ばれるものです。

特例を適用するには様々な要件が定められていて、とりわけ税法は一度読んだだけでは理解するのが難しいものがあり、この小規模宅地の特例もその一つです。

そもそも税法には「カッコ書き」というものが多いので、すんなりと頭に入っていかないわけです(笑)。

たとえば、〇〇〇の者(△△者を除く。)とか、○○していること(政令で定める部分に限る。)といった感じです。

話を戻して、亡くなった方が住んでいた家の土地の評価は、誰が取得したかによって、80%減額できるかどうかの要件がそれぞれ決められています。

以下は、国税庁のHPから抜粋したもので、税法の条文を平易な文章に改められています。

取得者を3区分に分けてそれぞれ要件が書かれていますが、要件に合致すればOKとことになります。

平易とはいえ、ちょっと理解できない部分がありますよね。

ちなみに被相続人とは亡くなった方のことです。

〇配偶者が取得
 

要件なし

〇被相続人と同居していた親族が取得

相続開始の時から相続税の申告位期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地を相続税の申告期限まで有している人

〇被相続人と同居していない親族が取得
 ①及び②に該当する場合で、かつ次の③から⑤までの要件を満たす人

  ①被相続人に配偶者がいないこと

  ②被相続人に相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住した親族で相続人(相続放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと。

  ③相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。

  ④その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

  ⑤相続開始の時に日本国内に住所を有していること、又は、日本国籍を有していること。

ここで、ひとつひとつ整理してみます。

 

まず配偶者の場合。

夫が亡くなれば妻、妻が亡くなれば夫ということですが、配偶者が取得すれば、要件は一切なしとなっており、自動的に土地について80%減額することができるということです。

夫婦が別居状態であっても適用可能です。

同居だった場合はそのまま家に住み続けてもいいし、家を壊して土地を売ってしまっても適用できます。

次に被相続人と同居していた親族の場合

配偶者の場合より要件は若干厳しめですが、複雑な要件とはなっていません。

相続税の申告期限まで家に住み続けて、家が建っている土地も相続税の申告期限まで手放さないで持っていれば80%減額が可能です。

相続税の申告期限というのは、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

「亡くなったことを知った日の~」という言い回しも「ん?」ってなりそうですが、10か月後の応当日と覚えておけばいいと思います。

つまり10月1日に亡くなった場合は翌年8月1日が申告期限です。

ただし、その日が土日や祝祭日にあたるときは、翌日が期限になります。

最後の被相続人と同居していない親族

これは、いわゆる「家なき子」特例と呼ばれるもので、土地を取得した親族に持家がない場合は特例の適用をしましょうというものです。

しかし、これがとてもややこしい。。。

上で①~⑤で挙げたように5つの要件がありますが、①、④、⑤は言葉通りで難しくはないと思います。

②と③が問題です。

②は3段階に分けて考えます。

第1段階は、その家に住んでいた親族がいないということです。

次にその親族の範囲について限定しています。

第2段階で、その親族の中に相続人がいないこと。

最後にカッコ書きで範囲を広げています。

第3段階で相続の放棄があった場合、その放棄がなかったものとして考えた場合における相続人としています。

つまり②の要件を分かりやすく書くと、「法律上相続権を持っていた親族が、亡くなった方と一緒に住んでいたらダメ」ということです。

具体例を示します。

母親が亡くなり、父親はすでに他界していて、子供が土地を相続する場合を考えてみます。

子供は結婚して母親とは別居しており、母親は父親が亡くなってからは、実の姉と一緒に暮らしていたとします。

子供は法律上の相続人ですが、父親の姉は違います。

すると、母親の姉は母親と一緒に住んではいましたが、法律上の相続権を持っていた親族ではないので、要件は満たすということになります。

次に③です。

カッコ書き以外の本文は、すんなり読めると思います。

土地を取得した親族が、被相続人が亡くなる前3年間、自分もしくは配偶者の持家に住んだことがない。

言い換えると「家を所有していることはOKだけれど、相続開始前の過去3年間、本人達はその家に住んでいないこと」が要件となります。

問題はカッコ書きです。

「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く」とあります。

自分または配偶者の持家に亡くなった方が住んでいた場合、その家については本文の「相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋」には当たらないことにしましょうということです。

わけわからないですよね。。。(^_^;)

どういうケースでしょうか?

具体例を挙げてみます。

母親はすでに他界。

古い家を取り壊して、父親の土地の上に子供が家を新築したとします。

土地の名義は父親、家の名義は子供です。

新築後はその家で、父親と子供と一緒に住んでいましたが、その後、会社からの転勤命令が出て、子供は家を出て社宅に住むことに。

その1年後に父親が亡くなったというケース。

父親が亡くなる過去3年の間には、自分の持家に子供は住んでいましたから、③の本文だけを読めばアウトということになります。

しかし被相続人である父親が住んでいたので、アウトからセーフになりカッコ書きによって救済されるのです。

ということで、今回は長々と書かせてもらいましたが、参考になれば幸いです。

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当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。

小暮会計事務所
税理士 小暮 巌

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