エコカー補助金の処理(個人編)
「エコカー補助金の処理(法人編)~2010.10.15)について書いたとき、個人事業主の場合の処理について聞かれたことがあります。
エコカー補助金の申請受付は去年終了して今さらの話ですが、エコカー補助金に限らず、他の国等からの補助金を受け取った場合にも使えますので、「個人事業主の国庫補助金を受け取った時の処理」ということで書いておきますね。
法人では圧縮記帳という処理をしました。
例えば100万円の固定資産を購入して25万円の補助金をもらった場合
≪直接減額方式≫
(現金預金)250,000円 (国庫補助金収入)250,000円
(固定資産)1,000,000円 (現金預金)1,000,000円
(固定資産圧縮損)250,000円 (固定資産)250,000円
このような経理を行ったはずです。
所得税についても「国庫補助金等の総収入金額不算入」という似た制度があります。
(所得税法42条①)
「~国庫補助金等のうちその固定資産の取得に充てた部分の金額に相当する金額は、その者の各種所得金額の計算上、総収入金額に算入しない。」
総収入金額に算入しないということですから、事業所得を計算するうえで、売上や雑収入に計上しないということです。
複式簿記で記帳しているなら、次のように経理することになります。
(現金預金)250,000円 (事業主借)250,000円
(固定資産)1,000,000円 (現金預金)1,000,000円
これで、終わりかというと、そうではありません。
法人では、固定資産の金額を減らしましたよね。
個人の場合でも同じように固定資産の取得価額を減額するのです。
(所得税法施行令90①一)
「国庫補助金等により取得した固定資産については、固定資産の取得に要した金額から総収入金額に算入されない金額に相当する金額を控除した金額をもって取得したものとみなす。」
(事業主貸)250,000 (固定資産)250,000
と経理すればよいでしょう。
複式簿記によらない青色申告者や白色申告者の場合には、補助金収入については一切収益計上せずに、減価償却資産の取得価額欄に、取得価額から補助金の額を差し引いた金額750,000円を記載すればよいことになります。
そういえば、圧縮記帳をする場合、法人では別表13(1)を添付する必要がありましたね。
個人の場合には「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付することになります。(所得税法施行規則20)
国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書(国税庁HPより)
なお、申告者が消費税の課税事業者の場合、課税仕入税額の計算の基礎は750,000円ではなく、あくまで1,000,000円になりますので。
※1,000,000円が税込金額なら 1,000,000円×5/105=47,619円
*******************************************************
当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。
小暮会計事務所
税理士 小暮 巌
さいたま市緑区馬場1−13−1
« 東日本大震災に係る損失額計算システム | トップページ | 会社の申告でお困りの方へ »



前に新聞でエコカー補助金と確定申告の記事を読んだのですが、いまいちピンときませんでした。
なるほど、そういうことなんですね!
法律の条文も書いてもらってわかりやすかったです。
投稿: 自営業 | 2011.05.25 00:11
自営業様、コメントありがとうございます。
下手な文章ですが、お役にたてて幸いでございます。
またお立ち寄りくだされば嬉しいです!
投稿: いわやん | 2011.05.25 15:56