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外国人の所得税の還付申告 Part2

去年、「外国人の所得税の還付申告」という記事を書いたことがあります。

内容としては、日本で働いている外国人が、給与から差し引かれた所得税の還付を受ける際の確定申告時の必要書類などについてのものです。

その時には書いていませんでしたが、ここ最近は、扶養対象とした海外居住家族の収入状況が確認できる書類(日本で言う所得証明のようなもの)を求められる場合が多くなっているようです。

以前は(私が在職時という意味で)、家族の職業や収入状況などを申告時等において聴き取って確認するという状況でしたが、これがかなり厳格になってきたようです。

そもそも家族の収入状況を確認する理由とは何でしょう?

まず所得税法の扶養控除の対象となる扶養親族とは、次の4つの要件すべてに該当する人です。(平成23年分以降については一部改正されています)

①配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)、又は都道府県知事から養育を委託された児童や市町村長から養護を委託された老人

②納税者と生計を一にしていること。

③年間の合計所得金額が38万円以下であること。

④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて1度も給与の支払いを受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと。

この要件のうちのどれかを税務当局は確認したいわけなのですが、分かりますか?

真っ先に金額要件の③と答えたくなりますが、これは不正解です。

海外に居住している家族は、ほぼ間違いなく税法上は非居住者となります。

非居住者の場合は、日本国内で生じた所得のみが合計所得金額の計算に組み込まれます。

つまり海外にいる家族が自国でいくら収入を得ていようが、日本国内で生じた所得がない限り、合計所得金額はゼロとなるのです。

正解は②の「生計を一にしている」要件に該当するかどうかを確認するためです。

では「生計を一にする」ってどういうことか?

これは必ずしも申告する人と同居していることを要件とはされていません。

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具体的には、【所得税法基本通達2-47】で次のように示しています。

イ 勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合

 常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

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赤字の部分を読むと、ひとつ気づくことがありますね。

そうです、申告の際に必ず海外送金依頼書の提出を求められますが、この赤字の部分が根拠となっているわけです。

そして同じく家族の収入を示す書類の提出も、やはりこの赤字で書いてあることを根拠にしています。

つまり「日本から送金したお金で生活を維持しているのか?」ということ。

さらに言いかえれば「送金がなければ家族は生活を維持できない収入しか得ていないかどうか」ということ。

「送金の事実」に加えて「必要性」を求めているわけです。

送金がなければ生活維持できない ⇒ 生計を一にしている

送金がなくても生活を維持できる  ⇒ 生計を一にしているとは言えない

そのことを確認するための資料ということになるのです。

でもこれは本当に難しい検討項目です。

国別の平均収入などが様々な機関で公表されてはいますが、「A国の場合は家族1人当たり日本円で年間何万円以上の収入があったら生活を維持できる」などという基準は当然ありません。

日本国内でも地域によって所得水準に差があるのですから、そこへきて海外の所得水準、さらにはその国のそれぞれの地域の所得水準から、個々の家族の生活状況を推測して、「送金がなければ家族は生活を維持できないかどうか」を判断するのは非常に困難です。

結局は、申告者一人ひとりと税務当局(というより税務署ごと)との個別検討事案になるわけです。

私見ですが、申告者は海外にいる家族ができるだけ豊かな生活が送れるように生活費を送っているのですから、家族の収入状況にあまりにも固執するのもどうなのかなとも思ってしまいます。

何名かの元同僚の税務職員に聞いたところ、このように外国人の還付申告における手続きが厳格になった背景には、本国に住む両親、兄弟、配偶者の両親、祖父母、その他の親族を大量に扶養控除対象として申告をし、納税額をゼロにしている事例が多発しているということがあげられるようです。

≪関連記事≫
(外国人の所得税の還付申告~2009.5.19)

(退職所得の選択課税~2009.7.7)

(外国人・非居住者の所得税確定申告の料金~2011.8.23)

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当記事は。、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。

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税理士 小暮 巌

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