エコカー補助金の処理(法人編)
エコカー補助金の経理処理について簡単に書いてみます。
エコカー補助金は、車両取得のために国から交付される補助金で、税法上の国庫補助金に該当します。
この国庫補助金を受けとった場合、圧縮記帳という処理を行って課税の繰り延べを行うことができます。
例えば、3月決算法人が10月に1,000万円の車両(耐用年数5年 定率法)を購入して、その事務年度中に100万円のエコカー補助金を受け取った場合で見てみます。
単位はすべて万円、消費税は税込経理です♪
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【何も処理しない場合】
会社が何も処理をしない場合も考えられます。
このときは次のような仕訳ですね。
(車両) 1000 (現預金) 1000
(現預金) 100 (国庫補助金収入) 100
そして決算整理で減価償却費を計上
(減価償却費) 250 (車両) 250
※(1,000×0.5×6/12ヶ月)
もしこの会社の収入経費がこれだけだったとしたら、100−250=▲150
150万円の赤字です。
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【圧縮記帳(直接減額方式)】
今度は圧縮記帳というものをやってみます。
圧縮記帳。
簡単に言うと、100万円をもらって買ったのだから、1,000万円の車両といっても900万円で買ったのと同じ、、、という理屈で経理するのです。
(車両) 1000 (現預金) 1000
(現預金) 100 (国庫補助金収入) 100
(車両圧縮損) 100 (車両) 100
(車両減価償却費) 225 (車両減価償却累計額) 225
※(1,000−100)×0.5×6/12ヶ月)
国庫補助金と同額を車両圧縮損として費用計上して、車両の帳簿価額も同額減らします。
最終損益は100−100−225=▲225
赤字225万円。
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何もしないよりも赤字額が75万円多くなりましたね。
なんだか得した感じですが、、、
ただ双方の減価償却費の金額に注目すると、圧縮記帳した方が減価償却費が25万円少なくなっています。
取得価額が1,000万円から900万円になったのだから当然ですね。
圧縮記帳した場合は、900万円という取得価額はずっと変わりません。
つまり翌事業年度以降もこの少ない減価償却費で計上していくことになります。
圧縮記帳した場合には補助金収入の課税は直接その事業年度には行われませんが、減価償却費が少なくなるという形で課税の取り戻しが行われるということになります。
国庫補助金を受け取った場合、一気にドンと課税されないように、課税を平準化しているのです。
だから課税の繰り延べなんですね。
そして圧縮記帳をするかどうかは会社の任意であって、圧縮記帳を行う場合には別表13(1)といった明細書の添付が必要になります。
ちなみに消費税については対価性がないため不課税取引となります。
(2011.2.28追記)
車両に係る消費税については圧縮記帳の影響はありません。あくまで支払った消費税が控除対象仕入税額となります。
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【圧縮記帳(積立金方式)】
今書いたのは、車両の帳簿価額を直接減額する方法(直接減額方式)でしたが、圧縮金額分を積立金として積み立てる方法もあります。(積立金方式)
積立金方式は、固定資産の帳簿価額をいじらずに、法人税申告書別表4上で圧縮金額相当額を減算する方法です。
本来の買った値段は1,000万円なのだから、1,000万円で資産計上した方がいいでしょう。そして1,000万円を基礎に減価償却費を計算しようというものです。
これは投資家が同じ物差しで会社を比較できるようするためで、上場企業などの大きな会社が採用している方法です。
結果的にいずれの方法をとっても支払う税金は同じとなります。
書き出しついでに会計処理を示しておくと、以下のようになります。
(実効税率40%)
当然ながら、法人税申告書別表4で、圧縮損相当額や法人税等調整額を加減算(留保)をします。
(車両) 1000 (現預金) 1000
(現預金) 100 (国庫補助金収入) 100
(法人税等調整額) 40 (繰延税金負債) 40
(繰越利益剰余金) 60 (車両圧縮積立金) 60
(車両減価償却費) 250 (車両減価償却累計額) 250
(繰延税金負債) 10 (法人税等調整額) 10
(車両圧縮積立金) 15 (繰越利益剰余金) 15
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当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。
小暮会計事務所
税理士 小暮 巌
さいたま市緑区馬場1−13−1
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良くわかりました。ところで別表13(1)がJDLソフトで作成出来ませんが、どうしたら良いでしょうか。
投稿: 村上税理士 | 2010.10.16 12:27
村上先生、お疲れ様です(*^_^*)
別表13(1)などの一般的な別表以外の別表は、申告書作成の基礎設定では出てきません。
実は申告書の作成画面に入ると右上に「帳表追加」というコマンドがあるのです!
そこをクリックすると出てきますよ(*^^)v
すでにJDLの操作担当に電話して解決済かもしれませんが。
投稿: いわやん | 2010.10.16 21:27
帳表追加のコマンドが見つかりません。JDLに聞きましたが、作成出来ないとの回答でした。私は様式集のソフトを購入していませんのでそれが原因でしょうか?
ちなみに青森の村木税理士、ソフトはICSですが手書きで作成しているそうです。
投稿: 村上税理士 | 2010.10.17 12:36
自分のマシンでは出来るのですけど。。。
おそらくはハードの購入時期によるバージョンアップ対象の問題だと思います。
同じJDLの某税理士も何台かあるマシンのうち、昔のものはバージョンアップ対象外になってしまって困ると言ってました
投稿: いわやん | 2010.10.17 13:59
ネット上には親切な税理士がいます。エクセルで書式を公開している税理士がいました。そこに入力し、手書きでの作成は避けました。
私のマシンは4年使いましたが、5年は使いたいものです。
投稿: 村上税理士 | 2010.10.17 17:15
それはよかったですね!
基本的には5年がバージョンアップ対象か否かの基準みたいですね。
私のマシンも来年で3年。
ハード的には問題ないのですから10年は使っていたいです(笑)
投稿: いわやん | 2010.10.17 21:12
少し興味がわいて読ませてもらいました。
とてもわかりやすかったです。
投稿: 風見鶏 | 2010.11.18 01:00
風見鶏様、そう仰っていただきとても嬉しく思います。
ありがとうございます!
自分としては文脈がばらばらで読み難いなあと、常々思っているものですから(>_<)
投稿: いわやん | 2010.11.18 19:49