自己株式取得の税務処理
先日、ある先生と自己株式の取得や譲渡における税務処理について話をしました。
自分自身が日々そのような事例に出会ってないと、理屈は分かっていても、頭の中はかなり混乱してしまうもので、「4表はどうだったっけかな~」なんて言ってました。(笑)
自己株式を取得したときは、課税所得には影響はありませんが、資本金等の額が減額されて軽減税率が適用されたり、みなし配当が生じて利益積立金額が減少して留保金課税の計算が変わったりするので、きちんと税務調整をしておく必要があります。
会計上は、そのまま自己株式の取得原価をもって、株主資本の控除項目として認識されます。
税務上は、会計上の取得原価のうち、税務上の帳簿価額相当額(取得資本金額)を資本金等の額から減額して、残額(みなし配当)を利益積立金額から減額することになります。(※ただし証券市場等で自己株式を取得した場合などはみなし配当は生じません。)
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具体例を挙げて見てみます。
(前 提)
自己株式取得直前の資本金等の額 1,000万円
自己株式1株当たりの取得単価 12万円
取得した自己株式数 20株
自己株式取得直前の発行済株式数 100株
会計上は、取得原価で認識ですから、支払った240万円で自己株式を計上します。
そしてこの240万円は株主資本のところで△240万円の表示がされることになります。
仕訳で示せば次の通りです。(以下すべて単位は万円)
(自己株式) 240 (現金預金) 240
税務上はどうなるかというと、まずは帳簿価額相当額(取得資本金額)を算出しなければなりません。
計算式は以下の通り
取得資本金額 = 自己株式取得直前 × 取得した自己株式数
の資本金等の額 自己株式取得直前
の発行済株式数
= 1,000万円 × 20株/100株 = 200万円
算出された200万円が資本金等の額から減額されます。
そして取得原価240万円から200万を差し引いた40万円が「みなし配当」となり利益積立金額から減額されることになります。
配当に係る所得税8万円(20%)を考慮し、税務上の仕訳を示すと~
(自 己 株 式) 200 (現金預金) 232
(利益積立金額) 40 (預 り 金) 8
最後に法人税の申告書への記載です。
【別表4】
当期利益又は当期欠損の額の欄の社外流出に「配当 40」
あるいは
みなし配当否認額 40 (加算・流出)
自己株式認定損 40 (減算・留保)
【別表5(1)~利益積立金額~】
自己株式 当期の増減(増欄) △40
【別表5(1)~資本金等の額~】
自己株式 当期の増減(増欄) △200
次回「自己株式譲渡の税務処理」に続く(?)
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ついでに株主側はどうなるかも書いておきますね。
仮に20株を売却した株主が、以前にその株を1株5万円(取得原価100万円)で購入していたとします。
売却価額は240万円で、そのうち配当とされる部分が40万円ですから、純粋な株式の譲渡の対価は200万円(240-40)となるので、株式の譲渡益は100万円となります。
仕訳を起こすなら
(現金預金) 232 (有 価 証 券) 100
(仮払所得税) 8 (有価証券売却益) 100
(受取配当金) 40
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当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。
小暮会計事務所
さいたま市緑区馬場1-13-1
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