扶養親族の入替えの可否
「子供を扶養に入れて確定申告したけれど、妻の扶養にした方が税金が安かった。今から扶養を入れ替えることができるか?」
確定申告が終わって数ヶ月経ったあと、ときには数年経ったあとに、意外とよくある質問です。
これは「扶養親族等の所属の変更」というもので、所得税法施行令第218条第1項、同令第219条、そして所得税基本通達83~84-2 にその取扱いが示されています。
条文に沿った言い回しをするなら、①予定納税の減額申請書、②確定申告書、若しくは③扶養控除等申告書(この3つを「申告書等」といいます)のいずれかに記載した扶養親族が控除の対象となります。
そしてその扶養親族を入れ替える場合は、納税者全員が、①から③の「申告書等」に入れ替え後の扶養親族を記載をすることで可能となります。
言い換えるなら、①から③の「申告書等」以外の申告書による扶養親族の入替えはできないとなります。
もっと実務チックに言うと、「修正申告」や「更正の請求」による扶養の入替えはできない。
たとえば、夫が長男を扶養に入れて確定申告、妻が長女を扶養に入れて年末調整をしていたとき、長女を妻の扶養から外して夫の扶養に入れ替えるというケース。
ここで想定される手続きは
① 妻は長女の扶養を外す確定申告書を提出。
② 夫は長女を扶養に入れるために、既に提出した確定申告書を直す申請(いわゆる更正の請求)をする。
結果は、夫が「更正の請求」をすることになるのでダメということになります。
逆に長男を夫の扶養から外して、妻の扶養に入れ替えるケースは?
今度の場合は
① 妻は長男を扶養に入れるために確定申告書を提出。
② 夫は長男の扶養を外すために修正申告書を提出。
夫が修正申告をすることになるのでやはりダメ。
これが冒頭の質問に対する回答となります。
この話をすると、一般的な扶養漏れのケースについて勘違いされる方がいらっしゃいます。
今までの話は、あくまで「扶養親族の入替え」に関する取り扱いです。
単純に扶養を入れ忘れたのなら、確定申告や更正の請求をすることで控除を受けることはできますし、夫婦で重複して同じ扶養親族を控除対象にしていたら、修正申告の必要や更正処分の対象となります。
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当記事は、掲載日時点における法律等に基づいて記載しており、個人的見解も含まれておりますので、同記事を参考にされた結果、損害が生じたとしても、責任を負うものではありません。
小暮会計事務所
さいたま市緑区馬場1-13-1
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