「サラリーマンなどの通勤手当には所得税はかからない」というのは、一般的に言われていますよね。
果たしてそうでしょうか?
実は無条件に非課税なわけではなくて、通勤手段、通勤距離、1ヶ月当たりの支給金額によって、非課税限度額が法律で規定されているだけです。
ただし、通勤距離が極端に短かったり、かなりの高額の通勤手当ではない限り、所得税がかかることがありませんから、「通勤手当は非課税」と言われてしまっているようです。
この非課税規定は「所法9①五」と「所令20の2」にありますが、条文で読むよりも国税庁作成の「源泉徴収のあらまし」の表を見た方が分かりやすいと思います。(本当は条文読んでもらうのが一番ですけどね
)
(源泉徴収のあらまし(給与所得の源泉徴収事務)の14ページから)
この表ですが、ちょっと気を付けて見てほしい箇所があります。
「自転車や自動車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」の区分のうち、通勤距離が片道15キロメートル未満のところです。
非課税枠である「課税されない金額」が「運賃相当額」ではなくて「定額」となっているのです。
しかも片道2キロメートル未満の区分は全額課税となってます。
税務調査などで源泉所得税の課税漏れが把握された場合には、税金の追徴は、まず源泉徴収義務者である会社や個人事業主に対して行われます。
しかも遡及期間は原則5年間です。
社員1人平均1万円の追徴だったとしても、誤りが数百人、数千人規模で、しかも5年間となると。。。すごい金額になってしまいます。
最終的には社員に負担してもらうにしても、一時的には会社が立替える形になるわけですから、予定外の多額出費が発生してしまい、場合によっては設備投資計画等の見直しなんてことにもなりかねません。
税務調査官時代に源泉所得税の調査をしていて、この部分の通勤手当の課非判定誤りが比較的多く見受けられたので、余計なお世話かもしれませんが注意喚起のために書かせてもらいました。
それから通勤手当は、消費税の仕入税額控除の対象となります。
社員等への通常必要と認められる通勤手当の支給は、会社や個人事業主といった事業者の業務上の必要に基づく支出の実費弁償であると考えられるためです。
(消法2①十二)(消基通11-2-2)
これは消費税の規定であるので、通勤手当の金額が所得税の非課税限度を超える超えないとは全く別の話です。
つまり、通常必要とする範囲内のものであれば、所得税の非課税限度を超えている通勤手当であっても、課税仕入れに該当するということです。
消費税の仕入税額控除を計算するときに、給与手当に含まれる通勤手当の金額部分の計算を忘れてしまっている会社も、まま見受けられることがあります。
これはホントもったいない話です。
もし過年度において誤って申告しているのであれば、更正の請求や嘆願をしてみたらいかがでしょうか?
当然のことながら更正の請求等をすると、税務調査が行われることがほとんどなので、その当たりも考慮にいれての話ですが。。。
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小暮会計事務所
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