仕事用の預金口座を別途作らずに、プライベート用の口座を兼用している事業主の方は結構いらっしゃるかと思います。
あるいは、仕事専用の預金口座があっても、一部の費用はプライベート用口座から払っているとういう方も多いでしょう。
個人の青色申告者の方からよく受ける質問は、このようなケースでの「複式簿記の仕訳方法」についてです。
仕事兼プライベート用の預金口座を、①仕事用の預金口座として管理するか、あるいは②プライベート用の預金口座として管理するかによって、仕訳方法が少し異なります。
①仕事用の預金口座として管理するとは、仕事専用の預金口座と同じように、預金出納帳の記帳をして、貸借対照表上にこの預金口座の残高を載せるということです。
反対に、②プライベート用として管理するとは、預金の動きを一切帳簿に反映させることなく、貸借対照表にも預金残高を載せないということです。
例えばある日、仕事兼プライベート用の通帳に、次のような3つの預金取引があったとします。
・電気代の引落し 30,000円 (事業割合50%)
・売掛金の振込入金 100,000円
・現金引出し(生活費) 200,000円
仕事用として管理する場合なら、仕事専用の口座における仕訳と同じですから、一般的には次のように仕訳を切るようになるでしょう。
(水道光熱費) 30,000 (預 金) 30,000
(事 業 主 貸) 15,000 (水道光熱費) 15,000
(預 金) 100,000 (売 掛 金) 100,000
(事 業 主 貸) 200,000 (預 金) 200,000
預金取引で皆さんが通常行っている仕訳のはずです。
※経費の家事消費分の振替は決算で行う方が多いかもしれません。
プライベート用として管理する場合なら、次のようになります。
(水道光熱費) 15,000 (事 業 主 借) 15,000
(事 業 主 貸) 100,000 (売 掛 金) 100,000
いきなり「事業主勘定」が出てきて、ピンとこないかもしれませんが、水道光熱費の方の仕訳については、プライベートのお金を仕事用のお金にかえて、同時にそのお金で電気代を払ったと考えると、分かり易いと思います。
水道光熱費の仕訳を無理に分解すれば、次のようになるでしょう。
(現 金 預 金) 15,000 (事 業 主 借) 15,000
(水道光熱費) 15,000 (現 金 預 金) 15,000
売掛金の仕訳の方は、売掛金が仕事用の現金又は預金として入金されたと同時に、生活費として引き出されたと考えます。
同じように仕訳を分解すれば
(現 金 預 金) 100,000 (売 掛 金) 100,000
(事 業 主 貸) 100,000 (現 金 預 金) 100,000
仕事兼プライベート用の通帳があって、ほとんどが生活費に関連する入出金であるなら、プライベート用として管理した方が、記帳自体は楽だと言うことがわかると思います。
ただし、帳簿上の預金残高と実際の預金残高を照合する必要がなくなることから、売上や経費の記帳のチェックが甘くなって、計上漏れを起こしやすくなります。
記帳が楽でも、計上漏れを起こしたのでは元も子もありません。
仕事兼プライベート用の口座を使った取引については、定期的な取引の有無、家事関連費の有無、取引の数等を考慮して、どちらが効率よく正確に記帳できるかを検討したほうがいいでしょうね。
まずもって、65万円の青色申告特別控除の適用に少しでもお役に立てれば幸いです!
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小暮会計事務所
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