今年も残すところあと1ヶ月ちょっと。
個人事業の方にとっては、今年1年間の経営成績と財政状態を把握する時期が近づいてきているとも言えます。
12月になると決算説明会が各地で催されると思いますが、ここで簡単に決算時の留意事項を記しておきたいと思います。
≪所 得 税≫
1.棚卸の実施
在庫商品、仕掛品、未成工事支出金の確認
※棚卸評価の届出書提出なし⇒最終仕入原価法
2.現金出納帳の残高が多額または赤字となっていないか。
売上計上漏れ、経費計上漏れ、桁誤り
店主貸借処理の失念。
3.売掛金・未収金の確認
請求書、支払通知書、カード決済、つけ台帳等の確認。
4.買掛金・未払金の確認
5.資産異動&減価償却費
①固定資産の取得、除却又は売却(下取り含む)の有無。
改良や大規模な修繕の有無。
②取得価額に含める支出を必要経費としていないか。
例)引取費用や設置費用等
③耐用年数、償却率、使用月数、事業家事按分の確認。
④少額減価償却資産の必要経費計上
使用可能期間が1年未満か取得価額10万円未満
⑤一括償却資産の適用検討
取得価額が10万円以上20万円未満
⑥中小企業者の少額減価償却資産の適用検討
取得価額が30万円未満(年間合計300万円限度)
⑦特別償却の適用検討
6.開業費
任意償却できるので適時に費用化。
7.家事関連費の事業按分
事業の費用と私的な費用の区分が適正か。
8.青色専従者給与
専従者給与届出書の範囲内の支給か。
9.未収収益、前受収益、前払費用、未払費用の有無。
10.貸倒れ
貸倒れ処理が可能な売上債権等はないか。
11.前年分と売上総利益率や外注・人件費比率、所得率を比較
変動が激しい場合に原因を解明。
(計上漏れ、二重計上、ケタ誤り、業況の特殊事情等)
≪消 費 税≫
(原則・簡易共通)
1.課税事業者の判定
平成18年分の課税売上高が1,000万円を超えているか。
2.課税、非課税、不課税、免税の区分は適正か。
3.固定資産の売却収入を課税売上高としているか。
売却価額(収入金額)が課税売上高となります。
売却損の場合でも課税売上が発生します。
10万円 - 50万円 = ▲40万円
(売却価額) (簿 価) (売却損)
※課税売上金額は10万円
(原則課税)
1.課税売上割合が95%以上か、95%未満か。
2.設備投資の課税仕入の申告漏れはないか。
3.翌年以降の簡易課税への変更の有利不利を検討。
(簡易課税)
1.平成18年分の課税売上高は5,000万円以下か。
5,000万円を超えているときは、簡易課税の適用不可。
2.事業区分は適正か。
3.複数の事業区分がある場合
75%ルール選択による有利不利を検討。
4.平成20年分の課税売上高5,000円超の場合
平成22年分は簡易課税制度の適用不可。
(平成19年分が5,000万円以下なら平成21年分は適用可)
4.翌年以降の原則課税への変更の有利不利を検討。
事業形態の変化、翌年以降の設備投資計画
所有権移転外ファイナンスリース契約
(その他)
税込経理の場合
今年納付した消費税:必要経費へ算入(租税公課等)
今年還付された消費税:雑収入へ計上←計上漏れ多し
※ともに前年において計上済みの場合を除く
≪年末調整≫
①扶養親族の異動はないか。
(出生、就職、結婚、所得制限超過)
②障害者、寡婦、寡夫、勤労学生控除の対象者はいないか。
③国民年金、生損保控除証明書、住宅ローン控除証明書等の提出漏れがないか。
④非居住者はいないか。
⑤中途入社の従業員について前職の源泉徴収票の提出がないと、現在の給料だけでの年末調整は不可。(誤り多い)
⑥未納となっている源泉所得税はないか。司法書士や社会保険労務士の源泉所得税の預り漏れはないか。
⑦来年1月の納期限は1月13日。(納期限の特例の届出者で一定の要件を満たす場合1月20日)
⑧従業員の住民税の普通徴収・特別徴収の確認。
≪更正の請求≫
前年分の確定申告の内容を確認しましょう。
売上の過大計上や必要経費の計上漏れ等があったために、税金を多く納め過ぎていたり、還付金が少なかったりしたような場合には、「更正の請求」という手続きによって、所得金額を是正してくれと税務署長へ請求することができます。(原則として法定納期限から1年以内)
今年の決算を組んでいると、往々にして前年の誤りに気付くことがありますので、きっちり見直しておきましょう。
ただし、「更正の請求」をした場合、おどかすわけじゃありませんが、通常は税務調査により内容の確認が行われます。
経費の計上漏れもあったけど売上の計上漏れも判明したため、結果的に追加で税金を納めることになってしまったというケースも見受けられます。
適正申告という面からは結果としてよかったのかもしれませんが~
所得税の更正の請求書
消費税の更正の請求書
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