12月3日の日経新聞朝刊に、「国際会計基準の波紋 第3回」として、≪売り上げが変わる~商品”到着”時点で計上へ≫という記事が載っていました。
工場から出荷した時に売上を計上(出荷基準)しているビール会社を例にとって、商品到着時点で売上に上げるその影響について書かれていました。
そこで「売上はいつ計上するか」という点について触れてみたいと思います。
一般的に商品を販売する場合には、その商品の「引き渡しがあった日」に売上を計上することになっています。
では「引き渡しがあった日」とはいつをいうのでしょうか?
レジでお金を受け取って、その場で商品を渡す小売業のような業種ですと、とくに考える必要はないのですが、お客様の所に商品が届くまで日数を要する場合は、ちょっと悩んでしまいますよね。
そこで「引き渡しがあった日」についての判断基準がいくつかあります。
例えば下のような基準です。
①出荷基準
・倉庫や工場から出荷した日
・船積みした日
・トラックに積んだ日
②検収基準
・相手方が商品を検収して引取った日
③使用収益基準
・相手方が使用収益できるようになった日(自由に使える状態になった日)
④検針日基準
・検針等によって販売数量を確認した日
なんかいまいちピンときませんね。。。
そこで1つ例をあげてみます。
北海道にあるビール会社A社が沖縄にあるスーパーB社と、ビール1本を500円で販売する契約を結んだというようなケース。
そして売上金が決済されるまでの流れが次のようだったとします。
①12月1日 ビール販売契約締結
②12月3日 A社の工場からビール1本出庫
③12月4日 トラックに積まれて発送
④12月7日 スーパーB社の倉庫に入庫
⑤12月8日 銘柄と数量が契約通りであると確認
⑥12月25日 売上代金の請求日
⑦1月10日 売上代金の入金日
500円を「売上に計上できる日」として考えられるのはいつでしょう?
う~ん、いくつか考えられそうですよね。
逆に「売上の計上日とはならない日」というのは、実はハッキリしています。
①と⑥と⑦です。
①は契約しただけなので「引き渡し」は、そもそもありえません。
⑥は意外と思われるかもしれませんが、請求書というのは売上代金を決済するための手続きですので、その手続日というのは「引き渡しがあった日」とはならないのです。
仮にA社が請求書を出すのをずっと忘れていて(笑)、半年後の6月25日に請求書を出したというケースを想像すると、6月25日に売上500円計上するというのは「それはおかしい!」と思っていただけるのではないでしょうか。
⑦の入金日も売上代金の決済手段にすぎないため「引き渡しがあった日」とはなりません。
請求書と同じように半年後に入金されたと考えると分かりやすいですよね。
とすると残りの日は、すべて「引き渡しがあった日」となりえます。
②、③、④、⑤のうち、会社にとって一番合理的と考えられる日で売上計上を行えばいいということです。
ただし、売上の都度や事業年度ごとに計上基準を恣意的に変えるのは認められません。
その商品や販売形態に応じて合理的な基準を選んで、毎期継続して適用することが大切です。
当然のことながら、委託販売や試用販売といった特殊な販売形態を行う場合には、その形態ごとに合理的と考えられる基準を採用する必要があります。
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小暮会計事務所
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